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2019年に読んだ本 おすすめ約10冊

昨年はお世話になりました。


ふりかえると、新しい環境に慣れず、創作活動がおろそかになっていた日々でしたので、

2020は気合いを入れて書いていきたいと思います。


さて、きょうは2019年に読んだ本の中で、おすすめ約10冊を紹介していきます!!


① エリック・R・カンデル (著), 高橋洋 (翻訳)、なぜ脳はアートがわかるのか ―現代美術史から学ぶ脳科学入門― (2019)


わたしたちの脳はアートをどのような仕方で認識しているのでしょうか。アートが美しいと思う要因には、色のきれいさ、形の美しさ、モチーフに対する知識、などがあると思いますが、それらのうちから二次的なものを抜き取ったら……つまりアートを感じる脳の作用の最小限の単位は何か?これを実践してきたのが現代アートの歴史であると著者は言います。これはいうまでもなく現代科学が歩んできた「還元主義」の考え方に通じるものがあり脳科学者である著者がその両者を結びつけて新しい視座を与えてくれます。

 

② 藤田 博司、「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史(2018)


物事を「なぜ学ぶのか」という問いには、①どうしてそれに興味を持ったか、という側面と②それを学ぶことによってどのような応用ができるのかという二面があると思いますが、この本は①からスタートして②へとスムーズに議論が進み、読者にとっての、「なぜなのか」という疑問とその解説が途切れることがないところが、数学入門書としては素晴らしいと思います。

 

③ 三中 信宏、分類思考の世界(2009)


フィロカルチャー2019春夏号でも取り上げた内容です。自然科学の目線で「ものを分類する」というとき、あたかもその分類がはじめからそこにあって、それを発見するという仕方で描かれることが多いですが、実際にはそのような分類が保証されているわけではなく、分類とは分類者の側の視点を表しているにすぎないのではないか?そして、それを私たちは自覚的であるべきなのではないかという、これからの時代に必須の書でした。

 

 

④ 横幕智裕  (著), モリタイシ  (著)、ラジエーションハウスシリーズ (2016~)


これは単純にわたしの好みで、知識を持った主人公がそれを駆使して問題解決をしていくというものです。好きなストーリー、好きな絵です。

 

⑤ 江崎 道朗、日本は誰と戦ったのか - コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ (2019)


戦後、何かにつけて「日本が悪かった」とこき下ろす「東京裁判史観」が横行していました。もちろん日本の選択の一つ一つを検討して悪いところは改めるのも大事ですが、真実を明らかにするには、その他の要因もなかったのかについてもちゃんと検討すべきでしょう。これまで、共産圏の裏工作である「コミンテルンの罠」が噂されていました。近年、米国で大戦時の機密文書のひとつであるヴェノナ文書が公開され、当時米国に入り込んでいたスパイが誰だったのかの解析(暗号解読)が進められています。その結果、コミンテルンが日米が戦争に向かうように裏工作を進めていたことは現実であったことがわかりました。これからの日本人にとって、本当は誰と戦っていたのかを知ることが大事だとわかる一冊です。

 

⑥ ノマド・ワークス、中学レベルからはじめる! やさしくわかる統計学のための数学 (2019)


統計の本を読むと、いつも帯に短し襷に長しといった具合でなかなかいい本に巡り会えません。特に高校数学から連続的に学べるような本に乏しい。その点この本はその垣根の低い本です。確かに数学を学んでこなかった人には少しだけ垣根が高いかもしれませんが、高校数学を受験のやり方でやって来た人のバックグラウンドにはベストマッチする本だと思います。

 

 

⑦ 実験医学6月号、11月号



物事が発見され、整理されていく過程では、はじめに二項対立や順序だてて分かりやすい理論が骨組みとして組み立てられ、そこからいわば「例外」が発見されていく過程を経て、理論が広がっていきますが、(分子)生物学でも同じこと、これらはこれまでの常識を覆す最先端の理論を紹介しています。常識を覆すといっても、全てを否定するわけではありません。これまでの常識を包括するような理論へと拡張していくのです。性は男と女の二項対立からひろがりを見せていますが、男/女を否定するのではなく、概念を拡張していくことが求められると思っています。

 

 

⑧ 山本 啓一、老化と脳科学 (2019)

 

ともかく参考文献がしっかりしている老化の本です。最新情報がアップデートされていて、しかもわかりやすい。老化について考えたい人にはおすすめ。

 

 

⑨ 小関 尚紀、世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書 (2013)


ゲーム理論とは、いわば「駆け引き」を扱う数学の(経済学の)一分野で、企業の経営戦略の選択にかかわるものです。競合他者がどのようなシェアを占めている場合に自社はどのように動くのか、この簡単なモデルケースをストーリー仕立てで楽しめる一冊となっています。(教科書と銘打っていますが、小説です)。Amazon Unlimited で年末ギリギリに読みましたが、単純に面白かったのでここに滑り込み~。

 

⑩ 電気機関車面縦図録(2019)

かどくらひめさんの作品

かどくらひめさんのTwitter@Girlyanimal)より

面縦、貨物の2つをテーマにしたマニアックな鉄道写真集。

昨年はじめてコミティアに出店しましたが、この本の作者、かどくらひめちゃんとは別々にアプライしたにも関わらず、隣同士の席になるという偶然がありびっくりしました。


そのときに、出品したわたしの本『あたらしい「わたし」の生き方 ①』はこちらからご購入下さいね!!


あたらしい「わたし」の生き方_サムネ


それでは、2020年もよい年にしましょう~

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LAVI SHOP閉店に想う

先日ラフォーレのバーゲンに行ってきました。
大分前の話なのに何にもアウトプットしておらず、反省ですが、
メインの仕事の方にいろいろと手間を取られたということにしておきます

さて、わたしにはずっと欲しいワンピースがありました。
item01.png
http://chaca.jp/item/item25.html
こちら、あの子のワンピース(グレンチェックバージョン)
略して「あのワン」です。

2万円オーバーするんですが、絶対いいものだし、無理してでも欲しいけど、金銭的に……
そう、わたし、新生活のために洗濯機を信用取引で(つまりボーナス一括払いで)買っておったので
予算がなかったのであります。
冬ボーナスで買ってもいな……(やばい人)

いやいや、ちゃんとキャッシュフローはしっかりしております。

と思いながら最近できたお友達との待ち合わせもあり、あわよくば、その場で買って着て帰ろうといった心意気。

待ち合わせに遅れてはいけないと思いぱっと電車に乗ったら意外と早く着いてなんと一番乗りでお店に到着しました。

すると、なんと最後の一着というじゃないですか。
「試着してもいいですか!」

普段B面でも試着が苦手な私ですが、自ら試着室へ!
「絶対似合うと思う~!」と店員さん。こういう風に自然に接してくれるのがとても嬉しい。

意気揚々と試着室へ……行ったんですが、なんと肘の関節のところが太すぎて入らず着ることができませんでした。

高○クリニックで骨を削ってもらうか……

YES!(T-T)

その日はショーツを一着買って帰りました。気持ちがへこんだときに履いてリフレッシュしよって思ってまだ履かずに取ってあります。

いつか何か別の服を買ってリベンジ!おなか周りとかは十分着られるんだもん!!

190812.png

で、バーゲンが終わってみるとLAVI SHOPから重大発表が。
8月31日を持ってLAVI SHOPラフォーレ原宿店は営業終了します
https://feast.tokyo/lavishop/index.html

え、え、そうなの??
わたし、店員さんと仲良くしゃべることができるお洋服やさんないし、
まして下着やさんないし……どうすればいいんだ~

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閉店に際してスタッフの皆さんがコメントを書かれています。特に何度も顔合わせをしたお二人の言葉を引用します。

スタッフの小谷さんの言葉「年齢や性別にとらわれず、たくさんの人々の心を豊かにする場所にスタッフとして携わることが出来、とても嬉しく思います。」

木山さんの言葉「コンプレックスをコンプレックスという枠に留めて、自信を無くしている方もいらっしゃると思います。その枠が実は魅力という枠にも被っていること、そのことに何かがきっかけで気付けることがある。 誰かの枠を広げるきっかけ作りを、LAVISHOPがお手伝いできたとしたらこの上なく幸せです。」

これを読んで涙ぐんでしまったわたし。わたし自身は「男の娘」ということで、体が男だということにコンプレックスでありながら、そこが同時に自分の魅力だと思い生きてはいるけれど、ふとしたときにやはり「生きていてもしょうがない」とか無力感に襲われることもあります。そんな枠を魅力的に変えてくれるfeastの下着、そして、男の娘だろうがなんだろうが衣料品で心が豊かになれるというスタッフの皆さん。

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「自分らしさ」を作り上げるために、感覚を広げていく中で、出会った商品、お店、スタッフの皆さん。
とてもわたしの人生を豊にしてくれています。

今月また買いに行きます!(今度は上下セット買います)


P.S. 実は水着も買いたいのですが、海もプールも行かないし、着るシチュエーションがないので、貸し切りプールオフだれかやりましょう。

なつめ

原宿で下着を買った話

原宿のシンデレラ

ラフォーレ原宿の中にシンデレラバスト[1]の人のための下着ブランドfeast のショップがあります[2]。わたしは、ある程度の大きさの胸には憧れはありますが、詰め物をして大きく見せるのは嫌派なのでそのままでもつけ心地のよいfeast のブラが好きです。今回は原宿方面へ来たということで、普段使いのショーツがほしくて見に行きました。

店内はすごく狭小なスペースですが、カワイイがつまっています。


お目当ての棚を見ていると店員さんが近寄ってきて……

 

あの、Twitter見てます!

 

え、え、ええありがとうございます!!??

 

一瞬なにが起こったのかわからなかったですが、どうやらわたしで間違いなさそう……嬉しいやらビックリやらでドギマギしてしまいました。なんでもわたしがfeast をたくさんリツイートするので気になって見てくださっていたとか。

 

これって……よくある「モデルの○○さんご来店下さいました!」ってやつ!まさか自分がそんな立場になるとは…って、有名人ではないので大分違いますけどね(苦笑)

 

てことで、ショーツ1枚お迎えです!

なんか、いろんな嬉しさがつまっていてまだ履けてない…

 LAVI.jpg 

もうお一方の店員さんと3人でキャッキャお話しして本当に女子として生まれてきたかのような幸せをつかの間味わえました( *´艸`)

 まさに、シンデレラの気分(家に帰ったらまた男社畜の日々が待っているという意味でもww)。

 

~ここからは小難しい話~

イベントは前提を作る、という話

よく「LGBT コーナー」に当事者は入りづらいという話があります。そこに入ることが自らLGBT であることを示すことになるからです。もちろんLGBT であることは悪いこととは思わないものの、奇異の目線があるのも現実で、いくら、堂々とすればよいのだ、という正義正論があろうとも、これに耐えられる者ばかりではないというのが現状です。

 

TRPのような「(いわゆる)LGBT の人が集まるイベント」へ行くとそこで「わたし」はマイノリティというレッテルを貼ったうちの一人としての振る舞いを要求されているような気がします。例えば、ブースでの声のかけられ方でも、「あなたはマイノリティのうちの一人だからこういうことにお困りではないですか」という無言の前提が存在しているような気がします。これは、それぞれ各社を批判しようというのではありません。イベントにおいて構造上生じてしまう問題なのです。

 

従って、そこには少なからぬ居心地の悪さがついて回ります。しかし、わたしたちが求めるのは敵対ではなく、溶け込んでいくことの安心です。

 

今回、feastのお姉さんは、わたしのTwitterをよくご覧になった上で、「会えて嬉しい」と言ってくださったわけですから、「パスしたから[3]」女性に混じって下着やさんで買い物できたのではないのです。

 

正直、わたしの居場所は、代々木公園ではなかった、ここだったんだなと思えました。それは、わたし、という人間について、見てくださっていたんだと思えたからで、これが、マイノリティが差別されず人として社会に受け入れられる、という理想の世界[4]なのだなぁと、ものすごく嬉しかったのです。


[1] 貧乳の言い換えです。

[2] LAVI SHOP公式 https://lavi.shop/

[3] MTFの場合、なにもいわないでも女性とみなされることをパスするといいます。

[4] TRP2019に自民党の古屋圭司さんがメッセージを寄せています。(一部抜粋)自民党は、多様性を受け入れる寛容の精神を育むことがまずは必要で、理解増進が進んでいない中で差別禁止をうたうことは、かえって差別を助長することになりかねないと考えています。

東京レインボープライドの感想とか

TRP2019

LGBT の権利を求めるデモイベントである東京レインボープライドに行ってきました。大会ホームページによれば、「プライド」とは矜持・誇りを表すと同時に、転じてセクシャルマイノリティ(セクマイ)のパレードを指すものとして国際的に認知されている語、ということだそうです[1]。さて、今回はじめてその東京版であるところの東京レインボープライド(TRP)に参加してきました。本稿ではその個人的な感想を記したいと思います。

 

はじめての……代々木公園

今回会場は代々木公園でしたが、実は、恥ずかしながら代々木公園自体行ったことがありませんでした。原宿駅に降り立つと、代々木公園の入り口は目の前です。折しも改元の2日前。明治天皇の御製(天皇陛下のお読みになった詩歌などのこと)が出迎えてくれます。

 明治天皇御製

自分の身を顧みず他人のために尽くすことが人のつとめである

 

わたしの哲学にも通じ、感慨深い思いで公園の中へ。

 代々木公園門

厳かな門です


しばらく進むと外国人観光客がともかく多い。大都市東京の中心に保存されている厳かな自然にひかれて来られているのでしょうか?東京という街で多文化が尊厳をもって混ざりあう様を感じました。

 

 

道を間違えた

ここまできてようやく地図を見るわたし。実は会場は逆方向なのでした。引き返し、イベントスペースへ到着。ポップな門が出迎えてくれました。

TRP2019入り口 

 

会場の中はお祭り騒ぎ。地元でよくいった夏祭りの様相で、新宿近辺のお店が様々な屋台を出していました。わたしもお昼ご飯を食べることに。

 

麺線 

これは麺線といって台湾の素麺だそうです。わたしには少し味が濃かったけれど、パクチーの香りがとてもよく効いていて、アジアの郷土の味わいに感激。すると隣にいた外国人(多分chinaだと思う、台湾じゃないって)が、「どこで買った?台湾のだよね?」と話しかけてくれ、去り際にシールを1枚くれました。暫時の文化交流となりました。

 

 

社会はかわりつつある!

企業ブースも多くありました。ANA, JALなどの航空会社、ユニクロ、グーグル、TENGAの射的やさん各社自社のアライ活動の取り組みをアピールしています。これらの企業はいずれも大企業であり、末端社員まで全員が理解を持って働いているというのでは決してないでしょう(し、理解しなければならないということでもないわけですが)。そのほどはこういったお祭りからは推し測るべくもありませんが、少なくとも大企業がこういうキャンペーンを行うことで全体の雰囲気を醸成するのには役立っていると思われます。


ただ問題は常に現場で起こっています。全体の雰囲気は「差別は悪い」とされていても、個人レベルでは常に起こりうることです。日本は国として差別を行う国家ではありません。だから、私の身の回りには差別はない!と言い切る人もいますが、それは間違っていると言わざるを得ません。差別的な言動を受けたという人の話を聞けば、酷い仕打ちを受けているという人を明確に認識することができます。


差別は、町場での利益、個人的怨恨、思い込みの中から生まれると考えています。もちろん法律が追い付かず、マイノリティが制限を受けることもあるでしょう。そこで法的に生じているのは差別ではなく「不利益」ではないかと思います。政治に求められるものとは、そのような不利益をどのように解消していくのかのプラクティカルな解決案のみです。一方で、街場の差別は私たちが心を豊かにして、「人のために尽くす」気持ちを醸成するなかで解決していくべき課題であると、わたしには思われます。政治のような「非日常」へ丸投げして、わたしたちのすぐ周りにあるモノから目をそむけてはなりません。西欧の概念を持ち込むまでもなく、代々木公園には明治天皇のお言葉がありました。わたしたちは、その「義」を実践する必要があるのでしょう。

 

おのが身は

かへりみずして人のため

つくすぞ人の

つとめなりける


実際の取り組み

ここでは理想云々ではなく、実際のプラクティカルな取り組みをご紹介。

ライフネット生命

一般的に、法的な家族でなければ生命保険を受け取ることはできないが、ライフネット生命では一定の条件の下で同性パートナーでも受け取ることが可能になっています[2]。しかし、法的な問題が未解決であると言います。同性パートナーへの遺産の相続には贈与税がかかり、家族関係にある異性間での生命保険の受け取りに比べて、受け取れる額が少ないというのです。この不平等をどう捉えるかはさらなる議論が必要でしょう。


男性用化粧品ブランドBOTCHAN[3]

男性は○○なものだ、××せよ!のような性規範には、男性の性自認であったとしても縛られたくないものです。そこで、そのような「社会規範」にあらがった夏目漱石の坊ちゃんを先人として男性であっても繊細さ、美的感覚、肩の力を抜いたおしゃれを探求するような化粧品ブランドが誕生しました。(TRP2019のブースでは試供品を配っていました:わたしは女の子だったのでなかなかもらえなかったというのは内緒)。デザインも現代美術、ポップアートのような先進的なデザインでかわいい。だけど、「女性向け」ではないというところが重要です。性自認が男性であれば、女性向けのデザインに対しては食指が伸びないというのは当然。ーー女性に対しての性規範を内的に持っている男性が、男性の性規範を抜けようという入り組んだ構造があるという批判あるかもしれないが(※)ーーマーケット的には新規開拓で、わたしの周りにも需要はありそうです。




[1] 東京レインボープライド2019HP

[2] ライフネット生命HP

[3] BOTCHAN HP About

(※)女性男性という言葉を使わずとも「あるデザインに対する受け入れ可否」としてまとめれば、このような批判は回避されうると考えられます。

池谷裕二『進化しすぎた脳』

「わたし」を理解するためには脳について知らなくては、

ということで、「新・情報7days」コメンテーターとしてもお馴染みの池谷裕二先生の『進化しすぎた脳』を読みました。

 

物事をどんどんと分解していき、ミクロのレベルにまで原因を追求する態度を「還元主義」といいます。脳は還元主義で理解できるのでしょうか、答えはNO。全体の動きを別の方法で調べることも必要となります。脳について知りたければ、その2つの視点を使い分けて、深い山に分け入っていく必要がありそうです。先生が様々な視点を使ってそこにアプローチする様子が知りたい方は是非


 

『進化しすぎた脳』では、高校生(といってもかなり学習レベルの高いクラスみたいですが)に分かるように4回の講義を行った様子が収録されていて、読者もリアルタイムで授業を聞いている感覚になれます。

 

現代の科学的知見によれば、脳が身体を制御しているのではなく、身体が脳の機能を規定(制限)しているらしい、ということは驚きです。例えば、指がくっついて4本で生まれてきた人の脳には対応する領域は4本分しかないのですが、手術で指を離して5本にすると脳には5本分の領域が新たに生まれるとのことです。これは、「脳にもともと指を動かすための領域があった」わけではなく「体に合わせて脳が決まるように幅がある」ということでしょう。

 

さらに飛躍させて考えれば、「環境によって脳もあとから決まる」といえなくもないわけです。自分の体だって、脳にとってみれば「環境」には違いないのですから。

 

そう考えると、心が男、心が女というのは、それぞれの身体を持つ+様々な環境によって脳に後から構築された自認ということなのだろうと、現在のうちは認識しておくのが、脳科学的には筋ということになるかと思います。

 

今後どのような研究が生まれてくるか期待したいと思います

 

なつめ